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2016年7月2日(土)

仰げばウトウトし。

Tokoya

クイズからはじまる寓話。

[クイズ]人里離れた村に二人の床屋がいました。一人はぼさぼさの髪、もう一人は整った髪をしています。さあ、どちらの床屋に髪を切ってもらうのがいいでしょう?

[答え]ぼさぼさ髪の床屋。自分の髪は切れないから・・・

いや、そんな小さな村に二人も床屋はいらない!まして、下手くそな床屋など!

かつて、村の床屋はひとりだった。腕は悪いが、人のいい男で、村の男たちは彼の店に集まっては、ああでもないこうでもないと、埒の開かない話に花を咲かせるのであった。「しかし、お前の切ったこの頭、ひどいなあ」そう笑いながらも、村の男たちは下手くそな床屋のところに話をしに来るのだった。

ところが、ある日そんな村に腕のいい床屋が住みついた。にわかに色気づく男たち。村はずれに新しくできた床屋に足しげく通うようになった。小さな村に二人も床屋はいらない。下手くそな床屋は店をたたんだ。ハサミを握るのは、腕のいい床屋の髪を切るときだけになった。

下手くそな床屋は腕のいい床屋の髪を切りながら、ふと思うのだった。「こいつさえいなければ。いっそこのハサミで、こいつを・・・」カランカランカラン。見知らぬ旅人が店に入ってきたのはちょうどそんなときのことだった。「この村の床屋はだれだね?」旅人の言葉に、下手くそな床屋と腕のいい床屋は、同時に答えた。「おらだ!」「わたしだ!」

旅人を審判に村の床屋を決める勝負が行われる。結果は腕のいい床屋の勝利だった。しかし、かたずをのんで見守っていた村人は、下手くそな床屋に群がる。「おらたちやっぱり、お前の床屋がええ」「そうじゃ、そうじゃ、こんな山奥でしゃれっ気出してもしょうがあんめえ」村人たちの後ろから腕のいい床屋が言う。「やってられっか、こんな田舎。都会の美容室から誘いがあるんだ」そして、「これとっとけ」と、下手くそな床屋に愛用のハサミを渡す。

旅人は気づかれぬ間にそっと去っていく。「やっぱり床屋は二人いたな」

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