無料ブログはココログ

« 2016年5月31日(火) | トップページ | 2016年6月2日(木) »

2016年6月1日(水)

ふと、聴覚を意識すると、どうなるだろうと思った。

よく視覚障碍者が、音を頼りにどこに何があるか、空間を認識するという話を聞く。ぼくのような目の見える人間も、もちろん無意識に音を感じ、音を頼りにしているのだが、空間認識に関しては、視覚に頼る面が大きいように思う。それをあえて、音を強く意識したら、どうなるか?

横浜駅に向かって歩きながら、耳を全開にしてみる。変化は驚くべきものだった。まず大きく違うのは、聴覚が360度全方位に開かれているということだ。視覚はせいぜい、前方180度でしかない。したがって、視覚だけで切り取られる世界は、聴覚よりもはるかに限定されている。それは常に前方にしか存在しないので、ぼくは世界の端にいて、世界と向き合っている。聴覚は全方位なので、目に見えない後方にも存在する。ぼくは世界の中心にいて、世界に包まれる。

もうひとつ、感じたのは、聴覚は視覚よりも、はるかに範囲が広いということだ。聴覚を意識し始めると、視覚よりも先に音が飛び込んでくることが多くなる。地下鉄に向かう階段を降り始めたところで、ピッピッという音がボンヤリ聞こえていることに気づく。降りていくと、その音はだんだん強くなり、改札に向かうにしたがって、はっきりとした輪郭をとるようになる。最後に視覚が、「自動改札に磁気カードを触れたときの電子音」と、それを確認する。聴覚を意識すると、世界が急に広がったような感覚になる。

結果、ぼくは広い世界にしかと抱かれる。もう世界と切り離されて、対峙する必要はない・・・それはひどく幸せな感覚だった。

Img_2046

« 2016年5月31日(火) | トップページ | 2016年6月2日(木) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73760/63732976

この記事へのトラックバック一覧です: 2016年6月1日(水):

« 2016年5月31日(火) | トップページ | 2016年6月2日(木) »

最近のトラックバック

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30