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2016年5月26日(木)



首都大非常勤、前期第七回目。
『ジャズの誕生』をテキストとするリーディング3コマ。ニューオリンズの女性シンガー、ジュニアタ・ブルックスの葬儀を収録したビデオを見ながら、授業開始。ニューオリンズの葬式では、ブラスバンドが悲し気な曲を演奏するなか、墓地に向かい、棺を納めたあとは陽気な音楽を演奏しながら帰ってくる。陽気な音楽に惹かれて集まってきた、死者に直接関係のない人たちを表す「セカンド・ライン」という言葉は、ニューオリンズ音楽の代名詞になっている・・・と解説を加えて、テキストへ。「にもかかわらず、訓練されていない聞き手ですら、(西アフリカ音楽の)パワーや推進力を感じることができるし、このリズムの凄まじい威力(を構成する)複雑な部分が互いにしっかりかみ合っていることに気づくことができる」 前回読んだところで、高度な訓練を受けたクラシックのミュージシャンにすら、混沌として聞こえると言っていることを考え合わせると、ポリリズミックな西アフリカ音楽は構造を理解することは難しいが、さまざまなリズムが一体となってひとつのグルーヴを生み出そうとしていることはシロウトにもわかる、ということになる。はっきりとは述べられていないが、テキストの冒頭に出てきた「言葉で説明するよりも、そこにあることを認識するほうがずっと優しい」ジャズとの親近性が暗示されているのかもしれない。「(西アフリカ音楽と)比較すると、ジャズはかなりシンプルである。われわれは長い道のりを辿ってきたが、(アフリカ音楽のリズムの複雑さに)追いついたとは言えないし、これからも追いつくことはないだろう。例えば、ニューオリンズでは、葬式からの帰り道、今でも「ディドゥント・ヒー・ランブル」を演奏する古株ミュージシャンがいるが、その演奏はマーチのように聞こえる。ジャズは伝統的に楽譜上、4分の4拍子か2拍子で近似をとることになっており ― 実際はもっと複雑だが ― このマーチのリズムが基本である」 もちろん、この「もっと複雑」な部分こそが大切なのであって、ジャズがスウィングする秘密になる。マーチと三連のハネを同時に感じさせるスウィングは、アフリカのポリリズムをコンパクトにして隠し持っていると言うべきかもしれない。

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