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2016年5月2日(月)

もう7年も、清志郎のいない世界にいるのか。

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明治学院非常勤「アメリカ研究」、前期第四回目。奴隷貿易と奴隷制の歴史の続きから。トーマス・ジェファーソンらが起草したアメリカ独立宣言の草案では、奴隷貿易を助長したという理由でイギリス国王を譴責する条項が検討されたが、南部の大農場主たちの反対にあって実現しなかった。また、トーマス・ジェファーソン自身、100人以上とも言われる奴隷を所有する大農場主の一人だった。さらに、独立後、開かれた制憲会議にはジェファーソンらリベラル派の多くが参加せず、アメリカ合衆国憲法は奴隷制を前提としたものとなった。そのなかには、「奴隷を頭数の5分の3として人口を計上する」という、南部の議席数を増やすためのご都合主義的な条項も含まれた。

とはいえ、独立後、奴隷制は自然消滅するのではないかと考える人も多かった。実際、1787年にはオハイオ川以北における奴隷制が廃止されている。しかし、労働集約型のプランテーションを展開している南部では、まだまだ奴隷労働が必要とされていた。さらに、イーライ・ホイットニーが綿繰り機を発明した結果、より多くの綿花生産が求められるようになり、機械化の難しい綿花の収穫はますます奴隷に依存するようになった。1807年にはイギリスで、翌年にはアメリカで奴隷貿易が禁止されるが、アメリカで奴隷の需要がある以上、密貿易が横行するのは目に見えていた。

奴隷貿易を経て、アメリカに陸揚げされた奴隷たちを待っていたのは、競売台だった。競売台に上げられたのはアフリカ出身の奴隷だけではない。アメリカに生まれ、家族とともに暮らしていた奴隷たちも、主人に利益をもたらすため、ときには主人の借金を埋めるために売られていった。その際、家族が一緒に売られるとは限らない。親子兄弟がばらばらに売られていき、二度と会えないこともしばしばだった。引き離されるくらいならと、赤ん坊を殺してしまった母親の話なども伝わっている(こうしたエピソードをもとに書かれたのが、トニ・モリソンの小説『ビラブド』である)。

大農場に買われていった奴隷たちの多くは、粗末な家に住まわされ、文字通り「夜明けから日没まで」休むことなく働かされた。収穫の少ないものには、容赦なく鞭が振るわれた。そんななかでも、彼らは「日没から夜明けまで」の間に、物語を語り、歌を歌うことで、自分たちの文化をつくり、人間らしい生活を保とうとした。キリスト教が奴隷主によって奴隷を従わせるために利用される一方で、奴隷たちは聖書の物語のなかに解放のメッセージを見出した。そして、主人に秘密で行われた宗教集会で歌われる霊歌には来世への願いだけではなく、現世の(例えば、逃亡奴隷のための)メッセージがこめられていた。

國學院非常勤、前期第四回目。『ジャズの誕生』をテキストとするリーディング2コマ。6限は、オール黒人キャストによるミュージカル映画『ストーミー・ウェザー』から、ファッツ・ウォーラーが「エイント・ミスビヘイヴィン」を歌うシーン。目をぎょろぎょろさせたり、甘えるような表情を見せたり、二本指でピアノを弾いたりするウォーラーのエンターテイナーぶりを堪能して、第一章の内容へ。「ジャズをヨーロッパと西アフリカという2つの偉大な音楽的伝統が300年にわたって混ざり合った結果と定義するとしよう。すると、ヨーロッパのものが支配的な音楽文化において、ジャズを他とは違う、すぐに見分けのつくものにしている特質は、おそらく西アフリカと関係があるということになる」 関係代名詞が苦手だという学生が多い。主語を先行詞とする関係代名詞節が、どこからどこまでかを判断する方法(関係代名詞から2つ目の動詞の前まで)は教えたが、基本から教えるべきか迷う。

7限は、ニューオリンズの葬式の様子を見ながら、授業開始。だいぶ後のほうでテキストにも出てくるが、ニューオリンズの葬式では、ブラスバンドが演奏する悲しい音楽とともに墓地へと向かい、棺を墓に納めたあとは、一転、陽気な音楽を流しながら戻ってくる。葬式の参加者のうち、親類縁者をファースト・ライン、お祭り騒ぎを目当てに集まってくる関係のない人びとをセカンド・ラインという。このセカンド・ラインという言葉が、「セカンド・ライン・ビート」というように、ニューオリンズの音楽を表す言葉として使われている・・・と説明。テキストはそれとはあまり関係ないが、「しかしながら、西アフリカの音楽とヨーロッパの音楽が混ざり合う組み合わせとタイミングは独特で、それが新しい音楽の誕生につながった。というのも、ニューオリンズの環境は、合衆国の残りの地域と、決定的に違っていたからである」

今日はぼくが大好きだった忌野清志郎さんの命日でね。こういうとき、R. I. P.なんていうね。これは、"rest in peace" 「安らかにお休みください」の略だね。でも、ここで出てくる"rest"はその意味じゃない。語源が違うから、辞書にも別の項目を立ててのっていると思う。「残り」っていう意味だ。

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