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2016年5月16日(月)

「若者たち」と「若もノータッチ」



明治学院非常勤「アメリカ研究」、前期第六回目。
前回に引き続き、アレックス・ヘイリー原作のテレビドラマ『ルーツ』を見た。逃亡に失敗し、捕えられたクンタ・キンテは、鞭の痛みに耐えかねて、拒否し続けたトビーという名前を受け入れる。教育係の奴隷フィドラーは、傷ついたクンタに歩みより、「白人はお前に勝手な名前をつけた。だが、お前はいつだってクンタ・キンテだ」と語りかける。クンタとフィドラーの絆に心動かされた学生も多かったと思う。名前を変えさせるということは、他民族を支配するための常套手段であり、創氏改名に見られるように、日本も無関係ではないということも指摘しておいた。

後半は、奴隷の反乱と人種間の結婚について。奴隷たちは主人の命令に唯々諾々と従っていたわけではなく、さまざまな形での抵抗を試みた。その究極の形が、暴力に訴える「反乱」である。なかでも最も大規模でセンセーショナルな反乱を指揮したナット・ターナーが、出会った白人はすべて殺すと決意していたことは、彼が本気で革命を成功させるつもりだったことを示している。しかし、こうした「邪悪な狂信者」たちの正体を晒すべく書かれたトーマス・R・グレイの「ナット・ターナーの告白原本」におけるターナー像が、どうもどっちつかずなのはどういうわけだろう。反乱者に知性と人間性を見て戸惑う白人弁護士の姿がそこにある。

人種を超えた結婚は、タブーだったし、しばしば法的にも禁止されていた。にもかかわらず、南部のプランテーションのような閉鎖された空間では、白人奴隷主が奴隷の黒人女性に性的関係を強要することは珍しくなかった。奴隷の女性が産んだ子供は奴隷とされたので、奴隷主は性的欲望を満足させた上に、奴隷という新たな財産まで手に入れることができた。第3代大統領トーマス・ジェファーソンと奴隷の女性サリー・ヘミングス(ジェファーソンの白人の妻マーサの異母姉妹であったと言われている)の間に子供がいたというスキャンダル(DNA鑑定の結果、ヘミングスの子孫がジェファーソン家の男性の血を引くことが明らかになった)は、こうした「特殊な」家族関係に基づくアメリカ社会を考えるきっかけになる。

國學院非常勤、前期第六回目。『ジャズの誕生』をテキストとするリーディング。6限は、テキストに登場したダオメー王国の首都アボメイで収録された太鼓のアンサンブルを聞きながら、授業開始。「しかしながら、中心となる楽器は太鼓 ― ふつうは音楽学者に太鼓の聖歌隊として知られている3つの太鼓のセット ― である。なぜなら、神々が太鼓を通じて話し、踊り手たちは太鼓と面と向かい、部族の人たちがそれらを取り囲むからである。ピークに達すると、その音は乱雑な空気ドリルの組み合わせのように聞こえるかもしれない。しかし、その音楽はポリリズム的である。すなわち、2つ以上のリズムが同時に演奏される。(リズムの数は5つか、6つかもしれない)」 首都大の授業同様、途中、レグバの話などに脱線。7限は、マルティニークのカリを聞きながら、授業開始。「この段階では、ニューオリンズはフランス領西インド諸島に似ており、音楽はおそらく今日のハイチやマルティニークに似ていた。大きな変化は、政治的にも経済的にも、世紀の変わり目にやってきた。1800年、ナポレオンはスペインに強制して領土をフランスに返還させ、3年間、ニューオリンズの誰も、町がフランスに属しているのか、スペインに属しているのか確信が持てなかった。それから、1803年、ナポレオンはその領土をアメリカに売却した」 いわいる「ルイジアナ購入」(アメリカ側から見れば)である。

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