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2015年11月9日(月)

褒められてるか、貶されてるか、わからない。「まったく多細胞だなあ」

明治学院非常勤「アメリカ研究」、後期第七回目。前回紹介したゾラ・ニール・ハーストンが、自ら「ユー・メイ・ゴー・バット・ディス・ウィル・ブリング・ユー・バック」を歌った録音を聞きながら、授業開始。南部の黒人コミュニティで生まれたハーストンは、「参与観察者」として外部から観察対象に入りこんだというよりも、最初から観察対象の内側にいた。したがって、彼女のパフォーマンスもまた、フォークロアに他ならない・・・という意識が、ハーストンにはあったように思われる。自らが情報提供者となって、フォークロアのサンプルをいくつも残していることに、そのことが表れている。

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さて、今日の本題。1933年、大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトは、大規模な公共事業で景気の回復を図るとともに、野放しだった金融を規制、ワグナー法と呼ばれる労働関係法を制定し、社会保障制度を整備するなど、大胆な政策を次々と行った。こうした一連の政策をニューディール政策と言う。また、エレノア大統領夫人が人種問題に強い関心を抱いていたこともあって、多くの黒人ブレーンがホワイトハウスに招かれた。弱者救済的な視点と、人種差別撤廃の動きに呼応して、リンカーンの党である共和党についていた黒人の支持は、一気にルーズベルトの民主党に流れた。

そんななか、2人の黒人アスリートが、人種隔離されたスポーツ界に風穴を開けた。ひとりは黒人で史上二人目のボクシング・ヘヴィー級チャンピオンになったジョー・ルイス。もうひとりは、黒人初の大リーガー=ジャッキー・ロビンソンである。二人の共通点は、白人の反発を避けるために、優等生にならざるを得なかったことである。ルイスの場合、史上初の黒人ヘヴィー級チャンピオン=ジャック・ジョンソンが、対戦相手を挑発したり、白人女性と結婚するなどして、白人の反感を招いたことへの反省から、対戦相手には常に敬意を払い、白人女性とはいっしょに写真も撮らなかった。ロビンソンは、1947年、ブルックリン・ドジャーズ入団後、心ない言葉や嫌がらせにやり返すことなく耐え続けた。ルイスはドイツのシュメリンクとの対戦(1938年)が、民主主義対ナチズムの闘いと重ね合わされたこともあって、国民的な人気を獲得していく。ロビンソンは49年、MVPと盗塁王を獲得し、実力で存在を認めさせた。

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1954年、黒人少女リンダ・ブラウンの白人学校入学を巡って争われたブラウン対教育委員会裁判で、画期的な判決が下される。連邦最高裁判所は、公教育における人種隔離を違憲とし、プレッシー対ファガーソン裁判の「分離すれども平等」判決を覆した。さらに翌年、教育委員会に隔離を撤廃する計画を策定させるとした「ブラウン判決Ⅱ」が出されることによって、公教育における人種統合が現実に進められることになった。しかし、「ブラウン判決」にもかかわらず、人種統合はすんなりとは進まなかった。1956年には、アラバマ大学に入学しようとしたオーザリン・ルーシーが、黒人の入学を拒否する1000人近い学生に追い返された。大学当局もルーシーを守るどころか、休学処分にし、処分の不当性を訴えたルーシーを、大学に対する誹謗中傷を理由に退学させた。57年には、人種共学を進めていたアーカンソー州のリトルロック・セントラル高校で、オーヴァル・ファーバス州知事に挑発された白人の群衆が、9人の黒人生徒を追い返すという事件が起こる(↑写真)。アイゼンハワー大統領が事態沈静化のために、連邦軍を派遣したのは、事件発生から20日以上もあとのことだった。

最後に、フォーバス知事やアイゼンハワー大統領を徹底的にこき下ろしたチャールズ・ミンガスの「フォーバス知事の寓話」を聞きながら、授業終了。

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