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2015年10月8日(木)

負け組でも勝ち組でもない。待ち組、あるいは賭け組だ。

ノーベル文学賞の発表日。某新聞社にケニアのグギ・ワ・ジオンゴがとったら原稿を、ナイジェリアのベン・オクリがとったら別の新聞社にコメントを、と依頼されていたのだが、結局、ベラルーシの作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチが受賞した。名前が長くて覚えられないが、戦争やチェルノブイリについての証言を発信し続けたジャーナリストとのこと。フクシマのことも含め、意味のある受賞だ。ちなみに、村上春樹はぼくも嫌いじゃないけど、ノーベル賞からはもっとも遠いタイプの作家だと思う。候補にすら挙がっていないんじゃないかしらん。

首都大非常勤「実践英語」、後期第二回目。マーシャル・W・スターンズ『ジャズの誕生』を読む。ブードゥーの話が出てくるので、ハイチの女性歌手トト・ビセンスの歌を聴きながら、授業開始。スターンズの文章は、ときに展開が分かりにくい。「西アフリカ音楽の影響の何かが、ブードゥーのなかに生き残り、コンゴ広場で表面化したのだとしたら、それはジャズの誕生にどのように寄与したのだろうか」と言う書き出しから、西アフリカ音楽について語るのかと思いきや、さにあらず。話はむしろ、ヨーロッパ音楽の影響へと流れていく。「二つの要因がこの発展を助けている。軍楽隊のすさまじい人気とヨーロッパの楽器の段階的な導入である」 スターンズとしては、西アフリカ音楽がジャズに変わっていく文化のミクスチャに、話を持って行きたいのだろう。さらに、その根底にある白人アメリカ文化に加わりたいという黒人の願望が書かれたところで、デュボイスの「二重意識」についての説明を加えた。アフリカ人としての自分と、アメリカ人としての自分。アフリカ人であろうとすれば、「野蛮人」と罵られ、アメリカ人として生きようとすれば、「白人のサルまね」と嘲笑される。どちらに転んでも正解はない人種差別社会の罠。打開するためには、アフリカ人とアメリカ人を統合した新たなアイデンティティを形成するしかない・・・とデュボイスは考えた。でも、デュボイスに言われるまでもなく、ジャズは両者をミックスした新たな何かだったのかもしれない。

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