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2015年6月22日(月)



明治学院非常勤、前期第十一回目。黒人映画監督の先駆オスカー・ミショー監督の映画『ウィズイン・アワー・ゲイツ』(1920)を見た。潤沢な資金をつぎ込んだ一大スペクタクルとは比較にならないラフな作りの自主製作映画だが、『国民の創生』に対する黒人の側からの回答とも言うべき意欲作である。

恋人と再会するため、北部ボストンにやってきた南部出身の黒人女性シルヴィア。ところが、二人の仲に嫉妬するアルマの妨害により、シルヴィアが浮気をしていると思い込んだ恋人は激怒して彼女のもとを去っていく。傷心を抱えて帰った南部で、シルヴィアは黒人教育に尽力するジェイコブズ師に出会い、彼の学校で働きはじめる。学校の資金繰りのため、再び北部ボストンにやってきたシルヴィアは、イケメンの青年医師ヴィヴィアンと出会う。資産家の白人女性の援助を取りつけ、南部に帰ったシルヴィアに、ジェイコブズ師が結婚を申し込むが、シルヴィアはヴィヴィアン医師のことを思い出して断る。一方、北部ではシルヴィアにつきまとっていた義兄ラリーが殺されたことをきっかけに、心を入れ替えたアルマが、ヴィヴィアン医師にシルヴィアの悲しい過去を打ち明ける。

シルヴィアは育ての親であるランドリー夫妻、義弟エミルと貧しいながらも幸せに暮らしていた。ところがある日、地主のグルドルストーンと小作料の交渉に行ったとき、地主は恨みを持つ貧乏白人によって撃ち殺されてしまう。事件を一部だけ目撃したグリドルストーンの召使エフラムは、ランドリーがグリドルストーンを殺したと町中の白人に触れまわる。リンチを恐れた黒人たちは沼地に隠れるが、「白人の友」を自認するエフラムは有頂天。しかし、ランドリーがなかなかつかまらないことに業を煮やした白人たちは、エフラムの首をくくる。やがて、ランドリー夫妻も捕えられ、凄惨なリンチが始まる。一方、自宅にこっそり食料を取りに帰ったシルヴィアは、地主の弟アーマッドに待ち伏せされ、レイプされそうになる。ランドリー夫妻を吊るしていたロープが切られ、死体が焼かれる場面と、レイプに抵抗するシルヴィアが交互に描かれ・・・

再び、北部ボストン。アーマッドはシルヴィアの胸の傷を見て、彼女が黒人女に産ませた自分の娘だと気づき、犯すのをやめたのだとアルマは言う。アルマの話に心動かされたヴィヴィアン医師。訪れたシルヴィアを優しく慰める。

ストーリーは煩雑で、整理されていない印象を受けるが、それはエンターテイメントとシリアスな内容を両立させようとした結果なのか、それともミショーが映画の文法を使いこなせていないだけなのか、わからない。しかし、少なくとも後半のリンチとレイプが交錯するシーンなどは見ごたえがあって、胸に迫るものがある。前半にもインチキ黒人牧師ネッドの描き方など、興味深い点がある。

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