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2015年1月19日(月)

今日はマーティン・ルーサー・キングの日だったか。

Afroamericanwomen

岩本裕子『物語 アメリカ黒人女性史(1619-2013) -絶望から希望へ-』(明石書店、2013)を読み終わった。女性に限ったことではないが、被抑圧者は、社会的・政治的な運動に関わる以前に、その人の人生を生き抜き、成功することによって、「自分たちにもできる」ことを示す。そのことが抑圧に対する最初の抵抗となり、後に続く人たちを勇気づけることにもなる。とりわけ、黒人として、女性として、二重に差別され、公民権運動においても、女性の運動においても、前面に立つことを歓迎されなかった黒人女性はそうだ。

だから、黒人女性史においては、目立った活躍をした人物だけではなく、目立たない人生を生きた普通の女性たちにスポットが当てられなければならない。彼女らの生きた証は、「あなたにもできたから、わたしにもできるわね」といった形で次世代に受け継がれていく。本書はこのような視点に貫かれている。最初の奴隷女性にはじまり、黒人女性説教師、西部で活躍した黒人女性、黒人女性起業家など、忘れられた無数の人びとによって、黒人女性の歴史(ひいては黒人史、世界史)が刻まれてきたことを思い知らされた。

明治学院非常勤、後期第十三回目(最終回)。前回、やり残したソウル・ミュージックの変貌について、映画『ワッツタックス』から、ジェシー・ジャクソンのスピーチ「アイ・アム・サムバディ」と、キム・ウェストンがアメリカ黒人の国歌と言われる「リフト・エヴリ・ヴォイス・アンド・シング」(ジェイムズ・ウェルドン・ジョンソンの作詞)を歌うシーンを見ながら解説した。黒人と白人の共同作業でつくられてきたソウル・ミュージックは、60年代後半から公民権運動が先鋭化するにつれ変貌していった。とりわけ、1968年、マーティン・ルーサー・キングがサザン・ソウルの中心地のひとつであるメンフィスで暗殺されたことの影響は大きい。

メンフィスのレコード・レーベル=スタックスは白人スタッフと袂を分かち、黒人経営者アル・ベルのもと、黒人の、黒人による、黒人のためのレーベルという色彩を濃くしていく。そんななかスタックスを中心に、65年のワッツ暴動を記念するために行われた大規模なイベントが、『ワッツタックス』(1972)である。出演者、スタッフ、巨大なスタジアムを埋め尽くした観客、すべて黒人であり、良くも悪くも、白人との共同作業で音楽を生み出していた初期スタックスの面影はない。

続いて、1930年代以降の黒人文学について、主要な作家にしぼって、代表作のあらすじとともに紹介した。取りあげたのは、リチャード・ライトアメリカの息子』(1940)、ラルフ・エリソン見えない人間』(1952)、ジェイムズ・ボールドウィンもう一つの国』(1962)、アリス・ウォーカーカラー・パープル』(1982)、トニ・モリソンビラブド』(1987)。ボールドウィンについては、ジャズの演奏をバックにした自作詩の朗読などが収録された1990年のCD『ラヴァーズ・クエスチョン』から、表題作のパフォーマンスを聞きながら、詩の内容を紹介した。

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