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2014年12月2日(火)

國學院大學非常勤、後期第十回目。1限、バラク・オバマの2008年大統領選勝利演説を聞くリスニング。民主主義、自由、機会の平等といった「アメリカの理想」を強調。支持者のひとりである106歳の黒人女性に言及し、女性として、黒人として、二重に差別されてきた彼女が目にした闘いと進歩の歴史に、「イエス・ウィ・キャン」というアメリカの信条を見る。アメリカ一般の話から、自分のスローガンに持ってくるところは我田引水とも言える強引さだが、さすがに雄弁で説得力がある。2限、『ジャズの誕生』をテキストとするリーディング。テキストに出てくるカウント・ベイシー楽団の演奏を聞きながら、授業開始。内容は前回に続いて、ジャズ史におけるライバル関係を辿る部分。

30年代のカンザス・シティにおいては、サックス奏者のコールマン・ホーキンスレスター・ヤングであり、ニューヨークではトロンボーン奏者のビッグ・グリーンジミー・ハリソン(1953年のバンドボックスでは、カウント・ベイシーとデューク・エリントンの楽団全体)であった。ジャズのような自由奔放な音楽では、ミュージシャンはスウィングする即興演奏を続ける能力によって評価される。

日本女子大非常勤、後期第十一回目。4限「アフリカ研究」は、前回に引き続き、コンゴ民主共和国(元ザイール)を中心に中部アフリカについて。コンゴの首都キンシャサで、車椅子にのって路上生活をするポリオ患者たちが、ストリート・チルドレンと結成したバンド=スタッフ・ベンダ・ビリリの日比谷野音におけるライブ映像を見ながら、授業開始。映画『スタッフ・ベンダ・ビリリ~もうひとつのキンシャの奇跡』から彼らの背景がわかる部分をピックアップして見た。障害を感じさせない生き生きとしたパフォーマンスと率直な歌詞は、女子大生の心を捉えたようだ。自作の一弦楽器サトンゲで家族を養っていくと言っていたストリート・チルドレン=ロジェが、ライブではすっかり逞しい青年に成長しているところも、キュンときたかもしれない。今まで紹介したアフリカ音楽のなかで、いちばん評判が良かった。

後半はコンゴ内戦ルワンダ虐殺について。コンゴについては、実質的にベルギー国王の私有地であったコンゴ自由国時代のレオポルド3世による蛮行(刑罰として手首を切り落とす、など)から、独立後のコンゴ動乱パトリス・ルムンバ初代首相の虐殺、国名をザイールに変更したモブツ大統領による長い独裁、。ローラン・カビラによるクーデターとその暗殺へと歴史をたどった。こうした歴史の裏側で、コンゴの豊富な資源を狙う欧米諸国が暗躍していた。

1994年、コンゴの隣国ルワンダで、ハビャリマナ大統領の乗った旅客機が撃墜されたことをきっかけに、フツ人によるツチ人の虐殺が起こった。いわいる「民族対立」が原因とされるこの虐殺だが、フツ人とツチ人は使用言語、宗教、文化、居住地域、すべてが全く同じである。にもかかわらず、両者が区別され、関係がここまで悪化してしまった背景には、ルワンダ王国時代には王家に近いツチ、遠いフツという緩いカテゴリーでしかなかったものが、ベルギーによる植民地支配のなかで間接統治に利用され、固定化されたという歴史がある。1962年に独立すると、それまで支配される側だったフツが実権を握り、ツチを排除しはじめる。そのあげくに起こったのが、94年のツチ人虐殺だった。

ルワンダの虐殺は隣国のコンゴにも影響を与えた。ローラン・カビラはツチ系のパニャムレンゲというグループの支援を受けてクーデターを成功させたが、のちにツチ人が実権を握るようになったルワンダの影響力が強まることを怖れ、ツチ系を排除しはじめる。そのことに反発したパニャムレンゲが反旗を翻したことによって、コンゴの内戦はさらに複雑な様相を呈しながら、泥沼に突入していった。2003年に、「正式な」休戦が宣言されたあとも、断続的な戦闘が続いている。

5限、ハリエット・アン・ジェイコブズの奴隷奴隷体験記を読む「米文学宇随筆論文演習」。若い学生と読んでいるうちに、過酷な体験を元にした作品にも関わらず、リンダ(ジェイコブズの偽名)の語りは生き生きとしたユーモアにあふれており、思わず笑みがこぼれてしまう場面があることに気づかされる。

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