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2014年11月17日(月)

明治学院非常勤、後期第六回目。前回紹介したラングストン・ヒューズがジャズの演奏をバックに、自作の詩「もの憂いブルース」を朗読する動画を見ながら授業開始。

今回はハーレム・ルネサンス期の作家、三人目=ゾラ・ニール・ハーストン。民俗学者でもあったハーストンがフィールドワークで撮ったビデオを流しながら、代表作『彼らの目は神を見ていた』のストーリーを紹介。同じ内容の授業について書いた以前の日記から引用すると、こんな感じ。

その『彼らの目は神を見ていた』。ちょっとあらすじを紹介しよう。主人公のジェイニー・クローフォードは黒人の女の子。白人の家で働いているおばあちゃんといっしょに白人の屋敷のなかに建てられた召使用の小屋に住んでいる。ジェイニーは白人の子供たちといっしょに育ったから、自分も白人だと思ってる。写真に写った自分を見て、「えー!私、黒人だったの!?」とか言っている。それにまわりの子供たちがおばあちゃんのことを「ばあや」って呼ぶから、ジェイニーも「ばあや」って呼んでる。そんな子供時代。実は、ジェイニーのお母さんは見ず知らずの男にレイプされて、ジェイニーを産んだ。それをおばちゃんが引き取って育ててるわけ。

そんなジェイニーも年頃になって、蜂が花のなかに入って行くのを見て、恋に目覚める。で、近くを歩いていたジョニー・テイラーっていう若者の誘いにのる。それを見ていたおばあちゃんはジェイニーにお説教するわけね。「ジョニー・テイラーみたいな半端者相手にするんじゃないよ。お前の相手はわたしがきめてあるんだからね」「おばあちゃん、私の相手って誰?」「ローガン・キリクスさ」ローガン・キリクスっていうのは、ぼくみたいなおじさんね。ジェイニーからすると、「えーっ!」だよね。でも、おばあちゃんからすると、土地もある、家もあるキリクスは孫娘の結婚相手として申し分なかった。「お前にはちゃんと結婚して、誰々さんの奥さんって呼ばれるような女性になって欲しいんだよ」って言うんだな。古いって思うかもしれないけど、娘をレイプされたおばあちゃんがそう願うのもわかるね。

結局、ジェイニーはキリクスと結婚するんだけど、ふた回りも上のキリクスとの結婚生活に愛はなかった。それにキリクスは畑で、家で、ジェイニーを小間使いのようにこき使った。ジェイニーが結婚生活に疑問を持ち始めたころ、一人の男が村を訪れる。ジョー・スタークスという自信満々のマッチョなやつ。ジェイニーに、「お嬢さん、そんな汚れた服はあんたみたいにキレイな人には似合わねぇなぁ」なんてね。「おれといっしょに来ないかい?」 ジョーの誘いにのって、ジェイニーは村を出る。

ジョーとジェイニーはイートンビルという黒人だけの町にやってくる。そこで、ジョーは郵便局をつくったり、街灯を建てたり、次々と新しい事業を起こして、町の中心人物になっていく。自分の店も持ったジョーは、町長として一目置かれる存在になった。同時に、彼はジェイニーが他の人びとと気軽につきあうのを嫌がるようになる。ジョーにとってジェイニーという美しい女性は、成功者に与えられたトロフィーのようなもので、他の人に触れさせてはならないものだったんだ。こうしてジェイニーは「町長夫人」として孤独な生活を強いられるようになる。

でもね、強い男もやがて年をとる。みんなもね、女の子は結婚相手が横暴だったら、年とった時が狙い目ね。熟年離婚とかあるでしょ。ある日、ジョーがジェイニーにすっかりババアになっちまってとかなんとか、悪態をついたのね。いつもだったら黙って聞き流すジェイニーだけど、この日は黙ってなかった。「なによ、あんただって、ズボンおろしたら、終わってんじゃないの!」って言い返したんだ。言い返されたことのないジョーは、えらいショックを受けるね。それが原因だったのかどうか、しばらくして病気をこじらせて亡くなってしまう。ジョーの死を見届けて、ジェイニーは顔を隠すためにかぶるように言われていたスカーフをはずす。

しばらくして、野球の応援で町の人たちが出払っていた日のこと、一人でお店をきりもりしているジェイニーのところに三人目の男がやってくる。ティー・ケイクとなのるその男はジェイニーに声をかける。「あんた、チェッカーはできるかい?」ずっと孤独に暮らしてきたジェイニーがゲームのやり方を知っているわけがないよね。「そうかい、おれが教えてやるよ」 こうして、ティー・ケイクはジェイニーを人とのつながりのなかに呼び戻したんだな。やがて二人はいっしょに魚釣りに行ったりして、デートを重ねるようになる。町長の未亡人が若い男と関係を持っている‥‥そんな噂を逃れて、二人はフロリダの湿地帯に移り住む。

そこで二人はしばらく幸せに暮らしてたんだけどね。ある日、ハリケーンが湿地帯を襲う。逃げ遅れた二人。ジェイニーを救おうとして、ティー・ケイクは犬に噛まれてしまう。この犬が狂犬病を持っていたんだな。嵐のあと、狂犬病の発作でジェイニーが自分を裏切るという幻想に取りつかれたティー・ケイクはピストルを彼女に向けて、逆に殺されてしまう。正当防衛で無罪になったものの、湿地帯にいられなくなったジェイニーはイートンビルに帰ってきて、親友に今までのことを話して聞かせる・・・

続けて、白人のパトロン=シャルロット・オスグッド・メイソンとの関係や、アリス・ウォーカーらのちの黒人女性作家による再評価、さらに民俗学者としてのハーストンが、フォークロアがその緩い形式によって維持している体験共有型のコミュニケーションを重視していたこと、さまざまな仮面を付け替える能力に黒人文化の本質を見ていたことなどについて話した。

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