無料ブログはココログ

« 2014年6月30日(月) | トップページ | 2014年7月3日(木) »

2014年7月1日(火)

「二度見する」と「二度ミスる」

國學院非常勤、前期第十二回目。バラク・オバマ2004年民主党党大会でのスピーチを題材にした1限のリスニングは、志願して海兵隊員となったシェーマスという若者を例に、果たして国は彼らに報いることができるのか、これ以上の犠牲は必要なのかを問う部分。「予備兵」という言葉が出てきたので、「アメリカでは日本と同じように徴兵制は廃止されているが、奨学金などを求めて軍に入る人もいる。そうした人も戦争になれば、除隊後、軍に呼び戻される可能性がある。集団的自衛権の問題も決して人ごとではないよ」などと英語の授業らしからぬことを話す。肝心のリスニングはみんな驚くほど聞き取れるようになってきている。

『ジャズの歴史』を読む2限のリーディングは、「軍楽隊の流行」という話が出て来るので、第一次世界大戦で黒人部隊ヘルファイターズの軍楽隊を指揮したジム・ユーロップの楽団による演奏を聞きながら授業開始。ヨーロッパの植民地支配とともに軍楽隊が広まり、日本にも黒船とともに入ってきたこと、当時のアメリカ曲「ジョン・ブラウンズ・ボディ」「マーチング・スルー・ジョージア」が日本で「オタマジャクシはカエルの子」「東京節」に姿を変えたこと、第一次世界大戦で勇敢に戦った黒人兵たちが国に帰ってみると差別が続いていたこと、などなど、ちょっと話しすぎた。おかげで教科書はあまり進めなかった。

もし、西アフリカの音楽的影響の何かがヴードゥーのなかに密かに生き残って、コンゴ広場で表面化したのだとすると、それではそれはジャズの誕生にどのように貢献したのだろう。二つの要因がこの進化を助けた。軍楽隊の凄まじい人気とヨーロッパの楽器のゆるやかな採用である。

この次の文が文法的にも、内容的にも難しいところ。いつものように、複雑な文は「薄目で」「遠目で」見る、すなわち、大きな構造を捉えるように指導。"Beneath it all, of course, was the powerful and constant desire of the American Negro to make his mark, to belong, to participate effectively in a predominantly white culture."という文も、「遠目で」見れば"The desire was"「欲望がある」という文になる。あとはこれにいろいろな要素を戻していけばいいのだ。

日本女子大非常勤、前期第十二回目。ハリエット・アン・ジェイコブズの奴隷体験記を読む。リンダ(ジェイコブズの偽名)の若い叔父ベンジャミンが逃亡する。逃亡先をつきとめられたベンジャミンは、彼の自由を買おうとする母親(すでに自由の身になっている)の申し出を拒否するように、さらに北へと逃げていく。どうして、ベンジャミンはお母さんの申し出を拒否したんだと思う?「引き換えに、何を望んでいるかわからないから?」 うーん、まあ、日本の親子関係ならそれもありうる(笑)。急に両親にお金を出してやるからとか言われたらね、結婚しろとか、なんか裏があるかもしれないね。「男だから?」 うん、まあ、それはあるよね。特にベンジャミンは戦闘的なやつだから、俺は男だ!自分の力で!って思ってるかもね。他には?・・・というと、みんなウーンとなってしまった。「自分が誰かの所有物だってことを認めたくなかったからじゃないかな。自由を買わなければならないってことは、誰かの所有物だってことでしょ。買うまでもなく、俺は自由なんだ!ってことだよ」 そういうと、学生たちは「そうなのかあ」と思いもかけないことを言われた風だった。こいつら、ちょっとカワいいなと思った。

« 2014年6月30日(月) | トップページ | 2014年7月3日(木) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73760/59925752

この記事へのトラックバック一覧です: 2014年7月1日(火):

« 2014年6月30日(月) | トップページ | 2014年7月3日(木) »

最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31