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2014年5月26日(月)

Thomasjefferson

明治学院非常勤、前期第七回目。前半は前回に引き続き、人種間結婚について。アメリカでは、人種間結婚、あるいは人種を超えた性的関係が、処罰の対象になってきた。にもかかわらず、奴隷主たちは奴隷の女性を犯し、性的欲望を満足させるとともに、生まれた子供を奴隷とすることで財産を殖した。

第三代大統領トーマス・ジェファーソンが、奴隷の女性との間に子供をもうけていたという噂はかねてからあった。最初の大統領選で、ネガティヴ・キャンペーンで取り上げられたのがきっかけである。黒人初の小説と言われる、ウィリアム・ウェルズ・ブラウンの『クローテル』(1853)も、ジェファーソンの血を引く美しいムラート姉妹が主人公だ。あくまで噂にすぎなかったスキャンダルが事実として認められるようになったのは、ジェファーソンの子孫と名のる男性が、オプラ・フインフリーのテレビ番組に登場して以降のことである。1998年、DNA検査で男性がジェファーソン家の男系の血を引くことが明らかになる。「建国の父」ジェファーソンと黒人女性サリー・ヘミングスの関係は、全米を揺るがすスキャンダルとなった。そんななか、バーバラ・チェイス=リボウは、スキャンダルとは一線を画する視点から、小説『サリー・ヘミングス』を書いた。また、自身もジェファーソンの黒人側の子孫であるシャノン・ラニアは、子孫たちの証言を『大統領ジェファソンの子どもたち』にまとめ、ジェファーソンをめぐる複雑な人間関係を、「家族」(あるいは拡大家族としての「アメリカ」)を捉え直す機会として考えようとしている。

後半は南北戦争に至るアメリカの歴史。ルイジアナ購入テキサス併合アメリカーメキシコ戦争によって、中西部の広大な土地を手に入れたアメリカは、そのことによって対立の火種を抱え込むことになる。上院では各州に同じ数の議席が割り振られており、中西部の開拓地が州に昇格するとき、自由州として北部の陣営に加わるのか、奴隷州として南部の陣営に加わるのかが、問題となった。北緯36度30分線より北では奴隷制を認めない「ミズーリ協定」も、当初からラインより北にあるミズーリが奴隷州になることを例外とする、妥協の産物だった(代わりにマサチューセッツ州からメーン州を分離させ、自由州とした)。こうした妥協はその後も、カリフォルニアを自由州にする代わりに、逃亡奴隷法を強化するなどの形でくり返されたが、カンザス・ネブラスカは自由州、奴隷州の選択が地元住民に任されたことにより(カンザス・ネブラスカ法)、奴隷制擁護派と奴隷正反対派が血で血を洗う内戦状態となる。そのなから、奴隷正反対派の闘士として頭角を現したのが、のちにハーパーズ・フェリーで反乱を起こすジョン・ブラウンであった。

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