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2013年12月3日(火)

國學院非常勤、後期第十回目。いつもジャズを一曲聞きながらはじめるこの授業、今日はCDを忘れてかけられなかった。迂闊。教科書の内容は、ニューオリンズの秘密結社からアフリカの話へ。「黒人の秘密結社はなぜそんなに数が多いのだろう?西アフリカに強力な前例がある。ダホメーの秘密結社グベについて述べて、ハースコビッツはこう書いている。『そうした集団は、アメリカのロッジと同じように選ばれたメンバーによって構成され、儀式上の秘密を持っており、しばしば多くの支持者を持ち、長い期間に渡って存続している』」

Pinball

村上春樹1973年のピンボール』(講談社文庫、2005、1980)を読み終わった。デビュー作『風の歌を聴け』の続編。時系列で言えば、前作の続きということになるのだが、後日談と言うよりも、前作で語ろうとして語れなかったことを別の形で語り直しているといった感じ。とは言え、核心のまわりをぐるぐるまわっている印象は変わらない。というよりも、村上春樹の作品って、核心のまわりをうろうろしながら、結局、そこに至らないものがほとんどだ。ただ、後年の作品はぐるぐるまわる渦が濃厚になっているので、真ん中にぽっかり空いた空間が存在感を増している。語られないからこそ、核心の存在が意識されるとというか。

ぼくの印象では、この人は全体の構成を考えてから書き始めるようなタイプの作家ではない。書けるという確信にしたがって、行き当たりばったりに、即興的に書いていく人ではないかと思う。自分でも核心が何なのかわからないまま、うろうろと歩き回っているうちに、それが作品になっていく。読者は核心のまわりを探りながら、ああでもないこうでもないと文章を連ねる春樹とともに、謎解きを楽しむ(が、謎が解かれることはほとんどない)。その意味では、村上ワールドの原点にふさわしい作品と言えるのかもしれない。

結局のところ、核心には何もない。でも、それでいいのだ。うろうろと何もないもののまわりを彷徨するのが、人生であり、物語なのだから。

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