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2013年12月15日(日)

多民族研究学会第21回全国大会@茨城大学。2日目は若手研究者育成を目的としたワークショップ。3人の院生が研究の成果を披露した。

日本女子大学の秋田真理子さんは、ユダヤ系アメリカ人作家シンシア・オジックが、偶像崇拝を禁じるユダヤ教と芸術創造のあいだにある葛藤を描いて来た立場から、同じユダヤ系であるハロルド・ブルームの「誤読」の概念に加えた批判について論じた。門外漢のぼくにはわからないことのほうが多かったが、ブルームの「誤読」はヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニアの「シグニファイン」とどう違うのだろう・・・などとぼんやり考えていた。ブルームの『影響の不安』、またひとつ読んでみたい本が増えた。

京都外国語大学の辰巳遼さんは、グローバルなネットワークを通じてスタティックでないアイデンティティが形成される「実践の場」としての音楽について、スチュワート・ホールなども引用しながら論じた。言っていることはもっともだと思ったが、具体的な例になると、エスペランサ・スポルディングなどを取り上げたものの、音楽を発信する側(アーティスト)の戦略だけになってしまって、ちょっと食い足りない。音楽を受け取る側、批評する側、企画する側、広告する側などさまざまな角度から検証することによって、グローバルな実践の場というテーゼがより真実みを帯びてくるのではないかと思った。

同じく京都外国語大学の竹岡陽一さんは、イギリスのマスメディアに見られる東欧人差別について論じた。イギリスにおけるアフリカ系やインド系に対する差別の話はよく耳にするが、東欧人差別は当然あるだろうと思いながらも、深く考えたことがなかったので新鮮だった。個人的には、東欧人が「白い黒人」と呼ばれたり、「インド人のほうがまし」と言われたりしていることに興味を惹かれた。さまざまな被差別民族、加えて白人貧困層が互いに敬遠し合うように操作されている差別の構造が垣間見えたと思う。竹岡さんは普段はイスラムに対する差別を研究されているとのことなので、そこも含め差別の総体的構造を明らかにしてくれると期待したい。

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