無料ブログはココログ

« 2013年11月23日(土) | トップページ | 2013年11月26日(火) »

2013年11月25日(月)

明治学院非常勤、後期第九回目。前回のキング師に続いて、今回はマルコムX。マルコムXの「X」が奴隷時代に失った本来の名前の不在を表すこと、それがマルコムが所属していた黒人のイスラム教団「ネイション・オヴ・イスラム(NOI)」の教えであり、ボクシングの元ヘビー級チャンピオン=モハメッド・アリもNOIに所属し、本名カシアス・クレイから「カシアスX」と名のっていたことなどを話した。『ルーツ』のクンタ・キンテがそうであったように、奴隷たちは奴隷主に名前を与えられた。あるいは、奴隷主の名字を使った。それを返上しようというのだ。

マーカス・ガーヴェイ信奉者の父をKKKに殺され、精神を病んだ母は病院に隔離され、マルコムたち兄弟は離散した。白人の里親のもとに出されたマルコムは、白人の学校に通う唯一の黒人としてペットのような扱いを受け、進路相談では弁護士になりたいという希望を「黒人だから」という理由で一蹴された。チンピラになり、ナンバー賭博、ポン引きから強盗まであらゆる悪事に手を染めたマルコムは、刑務所でネイション・オヴ・イスラムの教えに出会い、勉強に没頭する。出所後、正式に入信すると、持ち前の弁舌で注目を集め、NOIのスポークスマン的存在になっていく。ところが、教祖イライジャ・ムハメッドの女性スキャンダル、教団内の嫉妬、ケネディ大統領暗殺を巡る発言によって謹慎処分を受けたことなどから、マルコムは教団内で孤立する。1964年、メッカ巡礼によって思想的に大きく変化したマルコムはNOIを脱退し、新たにアフリカ系アメリカ人統一機構を結成。しかし、65年、新しい活動に注目が集まっていた矢先、ニューヨークのオーデュボン・ボールルームで銃弾に倒れた。

演説の言葉をもとにマルコムXの思想を概観する。自分たちアフリカ系アメリカ人は奴隷の子孫に他ならない。アメリカでは少数派の黒人も、視野を世界に広げて植民地支配を受けた有色人種と捉えれば、むしろ多数派である。こうした認識に立って、マルコムはアメリカの人種差別を国連に訴え、新興アフリカ諸国との連帯を模索した。メッカ巡礼で白人のイスラム教徒と兄弟として接したことによる変化。しかし、マルコムはそれまでの考えをすべて捨てたわけではない。アメリカでは白人という言葉は「ボス」を意味するのであり、単に肌の白い人間のことではない。また、人種差別主義者の暴力があふれている状況で、黒人は自衛のための暴力をという選択肢を手放すべきではない。晩年のマルコムはある点ではキング師に近づいたが、ある点ではそうではなかった。また、キング師のほうも、いくつかの点でマルコムに接近したといえる。

このあと、スパイク・リー監督の映画『マルコムX』を見始める。今日はオープニングからリンディ・ホップのダンスシーンまで。

« 2013年11月23日(土) | トップページ | 2013年11月26日(火) »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73760/58643686

この記事へのトラックバック一覧です: 2013年11月25日(月):

« 2013年11月23日(土) | トップページ | 2013年11月26日(火) »

最近のトラックバック

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31