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2013年11月17日(日)

Satchmo

ルイ・アームストロングサッチモ ニュー・オルリーンズの青春』(SATCHMO: My Life in New Orleans、1954、鈴木道子訳、音楽之友社、1970)を読み終わった。1901年にニュー・オリンズで生まれたルイ・アームストロングが、1923年、キング・オリヴァー楽団加入の誘いを受けてシカゴに移るまで、ジャズ誕生の地ですごした若き日々について、サッチモ本人の口から語られる。20世紀初頭のニュー・オリンズは町にあふれるブラスバンドとストーリーヴィルの喧噪のなかから、のちにジャズと呼ばれる音楽が生まれる揺籃期にあった。優れたミュージシャンには事欠かなかったが、彼らのほとんどは他に仕事を持ちながら演奏活動を続ける兼業ミュージシャンだった。まだ修行の身だったルイ・アームストロング少年も例外ではない。サッチモはそんな生活のなかで出会った人びとの姿を暖かいまなざしで振り返る。そのなかにはもちろん、のちに成功を収めるキング・オリヴァーやキッド・オーリー、録音を残すことなく亡くなったブラック・ベニーバディ・ボールデンといったミュージシャンも含まれる。彼らにとって、音楽とは金儲けの道具でもなく、単なる娯楽でもなく、生きることそのものだ。仕事の合間に音楽を追い求めるその姿に、ジンバブウェの友人たちを思い出した。百年前のニュー・オリンズの空気が伝わってくる本だった。

日本語訳について。概ねきちんとした翻訳なのだが、数カ所、どうしても気になる誤訳があったので指摘しておきたい。キッド・オーリーとジョー・オリヴァーのバンドが街を馬車で回りながら演奏していたときの話で、「二人が別々の馬車に乗って、別々のバンドで街角にあらわれるや」、ジョーとキッド・オーリーは早速火花を散らした・・・となっている。オーリーとジョーは同じバンドなのに?と思い、原文を参照すると、”When they found themselves on a street next to another band in another wagon"「町で他の馬車にのった他のバンドに出くわしたことに気づくと」というような内容。やっぱり。もう一カ所、"I still think that if it had not been for Joe Oliver jazz would not be what it is today" が「ジョー・オリヴァーのジャズがなかったら、今日は一体どうなっていただろうと、今でも私は思っている」となっているが、正しくは「ジョー・オリヴァーがいなかったら、ジャズは今日の姿になっていなかっただろうと、今でも私は思う」 

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