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2012年12月15日(土)

多民族研究学会第19回全国大会@日本女子大。

日本女子大のアレックス・ワトソン先生の"Two Kinds of Marginality: Romantic Marginality and the Scottish Lowland" は、ロマン派のテキスト本文と脚注、文末註の間に見られるずれのなかに、辺境に対するアンビバレンスを見ようとするもの。まったく分野違いだが、ぼくはミンストレル・ショーにおける黒人表象(エリック・ロットの言う「愛と盗み」)を連想した。

鹿児島大学非常勤講師の小林朋子先生は、19世紀のアフリカ系アメリカ人指導者マーティン・ディレイニーの小説『ブレイク』について(「世界市民/根なし草の移動した経路―『ブレイク』における二つのネットワーク」)。アメリカ植民協会による自由黒人のアフリカ帰還にも深く関わったディレイニーだが、その意図するところは父祖の地に戻るという本質主義的なものというよりも、白人に独占された経済/交換のネットワークに接続し、欧米の世界秩序に対抗するカウンター・グローバリズムとでも言うべきものを確立するところにあったのではないか。その意味で、コスモポリタン的な組織としてのフリーメイソンとの関わりなども気になるところ。

和光大学の余田真也先生は、「フォークロアとフィクションのリサイクル ― David Treuer の The Translation of Dr. Apelles を読む ―」と題して、ネイティヴ・アメリカンの作家デヴィッド・トロイヤーの作品『アペレス博士の翻訳』について。主人公アペレス博士が図書館で見つけた原稿という形を取りながら、民話をもとにした物語が語られていくが、最後にすべてが博士の創作ではないかという可能性が示される。フォークロアの解釈と再利用とは何なのか、伝承詩「ハイアワサの歌」が白人に記録されることによって変化していく過程なども追いながら明らかにされた。

最後に明治大学・管啓次郎先生の講演。留学先での体験などを中心に、ご自身の詩の朗読なども含む充実した内容だった。

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