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2012年11月27日(火)

國學院非常勤、後期第十回目。前回、ハイチ音楽の話が出てきたので、古いスタイルのハイチ音楽を集めたオムニバスからティ・コカのメラング「トゥワ・フェイ」を聞いて、『ジャズの誕生』続き ― 大きな変化は、政治的にも経済的にも、世紀の変わり目に起った。1800年、ナポレオンはニューオリンズを含む地域をフランスに返すよう、スペインに迫り、三年の間、誰も街がフランスに属するのか、スペインに属するのかわからなかった。そして、1809年、ナポレオンがその地域を合衆国に売却した。


日本女子大非常勤、第十回目。コンゴ民主共和国(元ザイール)を中心に、中央アフリカの音楽、歴史、政治情勢などについて話した。まずはコンゴと言えば、何といっても音楽。キューバ音楽ソンの影響下に生まれた独自の「ルンバ」(ルンバ・コンゴリース)はスークース、東アフリカや日本などではリンガラとも呼ばれ、アフリカ全土で大きな影響力を持っている。キューバではトレス、ピアノ、管楽器などが担当するくり返しのフレーズをギターに置きかえているのが特徴的だ。ルンバ・コンゴリースを代表するミュージシャンとしてYouTubeで見つけたフランコTPOKジャズの動画(↑)を見ようと思ったのだが、PCの調子が悪くDVDに焼くことができなかったので、実際の授業ではCD『思い出の70年代』からスタジオ・ヴァージョンを聞いた。加えて、ロックなどの影響も受けた新世代(といってももう30年も前のことになるが)の音楽=ルンバ・ロックを代表して、パパ・ウェンバ&ヴィヴァ・ラ・ムジカの「カエサルのものはカエサルへ」をかけた。

コンゴでは最近、ルンバ・コンゴリースとも違った自由なスタイルのミュージシャンが注目を集めている。そのなかから、爆音リケンベ(親指ピアノ)バンド=コノノNº1と、路上生活をするポリオ患者やストリート・チルドレンを中心に結成されたスタッフ・ベンダ・ビリリを紹介した。スタッフ・ベンダ・ビリリについては、次回、彼らを紹介した映画『ベンダ・ビリリ!~もうひとつのキンシャサの奇跡』を見る予定。

後半はコンゴ内戦(周辺諸国が深く関わっているので、「内戦」と呼ぶべきではないかもしれない)と、コンゴを中心とした中央アフリカの歴史、政治情勢などについて。今年11月19日、時事通信から配信されたニュースにも、「反政府武装勢力M23運動がコンゴ東部の都市ゴマへむけて侵攻、治安悪化の懸念が強まっている」とあり、2003年の「終戦」後もコンゴ東部の戦闘が続いていることを示したうえで、ベルギー王レオポルド2世によるコンゴの私有地化と現地アフリカ人の虐待、独立とコンゴ動乱、初代首相パトリス・ルムンバの暗殺、モブツ・セセ・セコによる独裁、隣国ルワンダにおけるツチ人とフツ人の対立(同じ言葉を話し、同じ地域に住む両者の「対立」が植民地時代につくられたものであること)、ルワンダ虐殺とコンゴに与えた影響、ローラン・カビラによる政権奪取とコンゴ戦争の複雑化、ローラン・カビラの暗殺とジョセフ・カビラの大統領就任、和平交渉と現状、鉱物資源と戦争の関係、少年兵の問題などについて大急ぎで話した。複雑に絡みあった情勢を短い時間で話すことは、ぼくの手に余るものがあったが、「どこかにワルモノがいて世界の平和を乱している」というような単純な話ではないこと、日本や欧米諸国もこの地域の戦争に深く関わっていることが伝わるように気を配ったつもり。

前半で紹介したような美しい音楽をつくる人びとがどうしてこのような凄惨な戦争に巻き込まれなければならないのか、あるいは逆にこのような苦しい状況に置かれた人びとからあのような美しい音楽が生まれてくるのはなぜなのか、学生が考えるきっかけになればいいと思う。

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