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2012年8月14日(火)

Jinshyu_2

川島浩平『人種とスポーツ - 黒人は本当に「速く」「強い」のか』(中央公書、2012)を読み終わった。

「黒人」は本当に「身体能力に優れている」のか。

オリンピックをはじめスポーツ界におけるアフリカ系の人びとの活躍が目立つが、ほんの100年ほど前まで、「黒人」は運動能力においても白人に劣るとされ、スポーツ界から排除されていた。ターニングポイントになるのは、ジョー・ルイスジャッキー・ロビンソンが登場した1930年代である。この時代を境に、「黒人は運動能力においても劣っている」という言説が、「黒人は生得的に運動能力が優れている」という神話に圧倒されていく。そこには、民主主義の盟主アメリカvs全体主義ドイツという構図のもとで、黒人選手がアメリカを代表するという背景があった。

「肉体的に優れている」という言説はアフリカ系の人びとのプライドをくすぐるものであると同時に、「他のことでは劣る」という含意を含んでいる。近年では、こうしたイメージに影響を受けたアフリカ系の子供たちが、勉強することに対して否定的な態度をとるようになっていることも憂うべき点である。また、「黒人」と呼ばれる人びとには白人・黄色人種に見られる以上の遺伝子の偏差があるとも言われ、その定義はあいまいで、多様だ。こうした恣意的な分類に基づく「神話」の正当性については、慎重に検討する必要がある。

「黒人は・・・」と断定的な発言をする前に、まず読むべき本。

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