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2012年6月5日(火)

國學院非常勤、前期第八回目。リロイ・ジョーンズ『ブルース・ピープル』。ミシシッピのもっとも荒廃したシェアクロッパーの小屋からも新しい楽しみが生まれてくる。そして、それがブルースの次の形式を生みだす触媒になった。黒人たちはシェアクロッパーも、小さな農場を何とか手に入れたものも、個人や家族といった少人数で働いていた・・・ブルースを生みだす契機となった元奴隷たちの「孤独」について、さらに次回、考えを深めていく。文法的には、理屈っぽい文章なのでどうしても関係代名詞が多くなる。今日のブルースは、スキップ・ジェイムズ「ハード・タイム・キリング・フロア・ブルース」。鬱々としたEmチューニングの世界。

Konnya

中島らも今夜、すべてのバーで』(講談社、1991)を読み終わった。酒びたりの日々に戻らぬよう、アルコール依存症に関する本を立て続けに読むことにする。まずは、もはやアル中小説の古典とも言うべきこの作品から。ぼく自身、お酒をやめた直後に(お酒とは無関係の病気で)入院しているので、アルコール依存症の病棟にいたような錯覚に陥っている。「わかるわかる」と独りごちる自分が可笑しい。らもさんがアル中らしからぬ冷静な観察力で描きだす酒に魅入られたものの陥る陥穽は、悲しいかな身に覚えのあるものばかりだ。

たとえば「ナイトキャップ」的な飲み方は、量の多少にかかわらず、行動要因そのものがすでにアル中的要素に支えられている。アルコールが眠るための「薬」として初手から登場するからだ。薬に対して人間の体はどんどん耐性を増していくから、量は増えていく。そのうちに、飲まないと眠れないようになる。この時点で、「手段」は「目的」にすりかわわっている(47)。

そうなのだ。ぼくは酒の味が好きというわけではない。酔ってハイになったり、逆にダウナーになったりするのが好き・・・というより、そこから離れられなかったのだ。エッジのきいた現実から飛び立って、印象派の絵のような滲んだ世界に逃げたかったのである。もし、お酒の味が好きだったら、味わうことで満足して、浴びるようには飲まなかったろう。今は現実を味わいたい。味わうなら、少しでいい。

でも、まあ、そんなにうまくはいかないさ。また、失敗することもあるだろう。でも、そのときは幻想の側ではなくて、現実の側に戻ってこよう。そこがポイントだ。

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