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2012年6月1日(金)

Blackculture

高山マミブラック・カルチャー観察日記 黒人と家族になってわかったこと』(P-Vine Books、2011)を読み終った。著者はフリーの写真家/ライター。シカゴの黒人男性と結婚し、夫の家族との経験をもとに本書を書いた。コミュニティの日常を切り取る著者に、「ブラック・カルチャーの本質を明らかにしよう」といった気負いはない。異文化との出会いを、「こういうものだ」と決めつけではなく、「こういうこともある」といったエピソードの積み重ねとしてさらりと描いていく。こうした書き方ができたのは、著者がもともとブラック・カルチャーに対する憧れを持っていなかったということもあるのだろう。著者も夫も、「~らしさ」を求められることが嫌いだったということも大きい。そんな著者の観察から見えてくるのは、物事には両面あるということ。例えば、大きな声で文句ばかり言っている黒人のおばちゃん・・・という典型は、二重の差別を受けてきた黒人女性の強さの表れであり、家族/コミュニティの支柱となっていると同時に、文句を言うだけで動き出そうとしないというマイナス面も生み出している(もちろん、黒人女性は誰もかれもそうなるということではなく、そうしたルーティンから抜け出そうとする人もいるのだが)。こうした指摘をもし白人がしたら、手痛い反発を食らうだろう。アジア人だから大丈夫、というわけではないだろうが、白人でも黒人でもない、共感を持つ第三者の存在がけっこう大切なのかもしれない・・・と思った。

若松孝二監督の映画『キャタピラー』(2010)を見た。人間のいちばん浅ましい部分を内側からいじられているような感じ。反戦・・・には違いないのだろうが、もっと善悪を超えた、人間のえぐいところをえぐりだすような。シゲ子と久蔵の関係も、憎悪だけでも、愛情だけでも、性欲だけでもない、それらすべてを合わせたものですらない。久蔵の死を知ったとき、シゲ子はどんな表情を見せるだろう。

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