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2011年10月17日(月)

ジンバブウェのミュージシャン、トンガイ・モヨが亡くなった。死因は癌だという。90年代に活躍した中堅ミュージシャンがエイズなどで次々と亡くなるなか、アリック・マチェーソなどとともに混乱期(まだ終わったとは言えないが)を生き延び、さあこれからというときだっただけに残念だ。昨年、ジンバブウェ東部の町ムタレで行われたサム・ムツクジ追悼コンサートでは、息子を亡くした父オリヴァー・ムツクジを差し置いてトリをつとめていたが、あれはすでに癌に蝕まれていたモヨにムツクジが花を持たせたということだったのだろうか。かえすがえすも残念。R.I.P.


明治学院非常勤後期第四回目。「アメリカ文学入門」は、合衆国第三代大統領トーマス・ジェファソンについて、理神論に影響を受けた人間中心の考え方と、素朴であるがゆえに危険性をはらんでいる民主主義観を中心に話した。アメリカ国民に尊敬する大統領は誰かというアンケートをとったら、リンカーンケネディワシントンと並んでジェファソンが上位に選ばれるだろう。独立宣言の起草者であり、博学な知識人でもあった彼が、まさにアメリカ建国の父と呼ぶにふさわしい人物であることに異論はない。しかし、だからこそ、彼はアメリカが抱え込むことになる矛盾を体現していた。

独立宣言に奴隷貿易を批判する条文を入れようとしたことで知られるジェファソンは、一方で100人以上に及ぶ奴隷を所有する大農場経営者であり、奴隷の女性サリー・ヘミングスとの間に子供をもうけていたことでも知られている。また、「人間が理性をもって話し合えば、必ず同じ結論に達するはずだ」という素朴な理性信仰から多数決を絶対視するあまり、同意に達することのできないものは病原菌のように排除すべきであるというような恐ろしいことも言っている。ジェイムズ・マディソンが指摘したような集団心理の恐ろしさや、アフリカ系アメリカ人のような少数派が多数派とは相容れない視点を持つ可能性は彼の念頭に入っていなかった。

もちろん、現実の民主主義が多数決によって押し切られることが多いのは事実だ。少数意見の尊重などというのは欺瞞であると感じる人も多いだろう。そこに一石を投じるのが、ヘンリー・デヴィッド・ソローである。彼が考えたのは「少数意見の尊重」ではない。「少数派の抵抗」である。少数派がいくら待っていても、多数派は少数意見を「尊重」などしてくれない。しかし、少数派が全力をもって抵抗するとき、道が開けることがある。来週はガンジーマーティン・ルーサー・キングにも影響を与えたソローの考えについて、詳しく見てみようと思う。

「アメリカ文化研究(アフリカ系アメリカ人の歴史と文化)」では、先週に引き続き映画『ストーミー・ウェザー』(1943)を見た。字幕がないこともあって、退屈そうにしている学生が多いかな・・・と思ったのだが、アンケートを見ると意外にも好評だった。特に最後のニコラス・ブラザーズのタップダンスには度肝を抜かれた学生が多かったようだ。来週はこれを踏まえて、ハーレム・ルネサンス期の文学について話そうと思う。

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