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2011年4月13日(水)

自主ボイトレ。音程差があるメロディーのとき、低い音は上の腹筋、高い音は下の腹筋を使うことを意識すると音程がとりやすくなる。またひとつ賢くなった。

Gosple益子務『ゴスペルの暗号 秘密組織「地下鉄道」と逃亡奴隷の謎』(洋伝社、2010)を読み終わった。黒人霊歌(スピリチュアルズ)に隠された奴隷の逃亡を助けるメッセージを読み解く・・・という内容。タイトルは「ゴスペル」を謳っているが、扱っているのは奴隷制時代の霊歌である(「ゴスペル・ブーム」を意識してのことかと思ったが、ゴスペルと霊歌を混同しているように思える部分もある)。著者はアメリカのロジェ・ワグナー合唱団他、ヨーロッパ各地、日本で活動した経験のある声楽家。一昨年まで武庫川女子大学で声楽科の教授をされていたらしい。

背景となる「地下鉄道」(奴隷の逃亡を助けるためのネットワーク)については、ヘンリー・ボックス・ブラウンクリスティアナの抵抗トニ・モリソンビラヴィッド』のモデルとなったマーガレット・ガーナーの悲劇、「車掌」として活躍したハリエット・タブマンなど、興味をひく人物・事件を交えて詳しく書かれている。一方で、主題である霊歌に隠されたメッセージについては、いかにも食い足りない。クラシックの声楽家らしく、譜面上でアレンジされたもの(ハーストンなら「ネオ・スピリチュアル」と呼んだだろう)をもとにしている(たぶん)のも、うーん・・・(すぐれたフィールド・ワークがたくさんあるはずなのに・・・)。

著者も指摘しているように、霊歌に秘密のメッセージがこめられているという説に対しては、根拠がないと否定する研究者もいる。そうした霊歌解釈は公民権運動のなかで意味づけされた結果だというのである(例えば、ウェルズ恵子『黒人霊歌は生きている』)。それに対して、霊歌が「地下鉄道」の活動で果たした役割を主張しようとするなら、せめてその出典を明らかにしなければならない。もちろん、「地下鉄道」自体が非合法だったのだから、霊歌に秘密のメッセージがこめられていたとしても、それが記録に残されることはもちろん、口にされることさえほとんどなかったはずだ。だからといって秘密のメッセージの存在そのものが否定されるわけではない。弱者の歴史は「公式の」記録では再現することはできないからだ。ただ、この話に根拠があるとしたら、誰かが元奴隷か元奴隷の子供からそうした証言を得ていたはずである。せめてそれを明らかにして欲しかった。

・・・ってか、これはぼくの研究テーマになるな。霊歌関係の資料を漁ってみよう。

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