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2010年4月9日(金)

2010_04_09aoba今日のラーメン:「中華そば(650円)」@相模原『中華そば 中野 青葉』相模原店
名店『青葉』の支店が相模原ラーメン店密集地にできたと聞いて、行ってきた。清潔な店内にはほんのりと煮干の香りが漂う。本店の中華そばはもう何年も食べていないのだが、どうも印象が違う。こんなになめらかでクリーミーな味だったっけ?ダブルスープは十分美味しいのだが、麺やメンマも柔らかめで、ファミリー層を狙った感じもする(気のせいか)。いや、でも美味しいです。次はつけ麺を試します・・・★★★★

Bdabd0920ea0dda51063e110_lS・クレイグ・ワトキンス『ヒップホップはアメリカを変えたか? もうひとつのカルチャラル・スタディーズ』(Hip Hop Matters: Politics, Pop Culture, and the Struggle for the Soul of a Movement、2005、菊池淳子訳、フィルムアート社、2008)を読み終わった。アメリカの若者に深い影響を与える存在となったヒップホップを、歴史、産業、性差別、政治、アカデミズムといったさまざまな角度から検証する。

ヒップホップがここまで台頭した背景のひとつとして、著者はビルボードよる、サウンドスキャンの採用をあげている。レコード店店員の主観を配した正確な市場調査が導入されたことによって、若者を中心に売り上げを伸ばしながらその存在が軽視されていたラップ・ミュージックがにわかに注目を集めたのである。しかし、サウンドスキャンのような市場調査は、すでにリスナーを獲得している音楽を世に広める役割は果たしても、まったく新しい音楽を生み出す助けにはならない。新しいアイディアが潜在するリスナーを掘り起こすためには、小規模なコミュニティ=アンダーグラウンドでの実験と地道なプロモーションが不可欠だ。ヒップホップにとってストリートにおけるDJやMCのバトルこそがそうした場だったのではないだろうか。しかし、「ストリート」という言葉はやがて、暴力に彩られた「リアルな」生活を意味するものであると曲解されていく。ヒップホップにとっての「ストリート」とは本来、ギャングの抗争や麻薬の売人や性犯罪そのものではなく、そうした否定的な現実から飛翔しようとするサウンドシステムという「場」のことだったはずだ。そうでなければ、暴力や性差別にあふれた表現にもかかわらず、多くの若者がヒップホップに生きる指針を見出していることを説明できない。

著者は政治やアカデミズムにおけるヒップホップの可能性にも切りこんでいく。ラッセル・シモンズが設立した「ヒップホップ・サミット・アクション・ネットワーク(HSAN)」にしろ、もっと草の根的な運動にしろ、ヒップホップが公民権運動時代のやり方では解決できない問題を取りあげ、政治に無関心な若者たちの意識を変えてきたことは事実だろう。こうした動きのなかから、「ヒップホップ市長」と言われたデトロイトのクワメ・キルパトリック市長のような若い世代の政治家が生まれた(オバマ大統領の誕生もヒップホップと無関係ではないかもしれない)。しかし、ヒップホップの思想が多様であることを認めながら、「今こそその対立をなくし、一致団結すべき」と言うとき(260)、著者がどんな一致点を想定しているのか、いまひとつ見えてこない。それが、「若者に本物の機会と選択肢を与える」(261)ということにすぎないなら、若者もいつか年をとるし、世界は若者だけで成り立っているわけではないと言わなければならない。同じように、自ら設立したヒップホップ寺院の目的を「ヒップホップをライフスタイルにする人々のために、健康・愛・意識・富を手に入れる力の源泉であるヒップホップを奨励し守ること」(248)だとするKRSワンの言葉も、具体的に何を意味するのか検証しないままの自家中毒に思えてしまう。既成の枠組をはずすヒップホップのやり方にはまだまだ可能性があると思うが、ヒップホップという枠組もはずされるべきなのだ。

すごく興味深い内容だったのだが、クワメ・キルパトリックの名前が「クウェイン」になっていたりするのは興ざめ。「クワメ」という名前は間違いなくガーナの初代大統領クワメ・エンクルマからとられている。アフリカやアフリカ系アメリカ人の歴史を少しでも知っていれば間違いようのない名前だ。ちなみに同じフィルムアート社から出ている『ジミ・ヘンドリックスとアメリカの光と影』でも、ノーマン・ホイットフィールドが「ホワイトフィールド」と書かれていた。ちゃんと背景知識のある人に翻訳をやらせるか、知識のある人にチェックさせて欲しい。

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