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2009年12月25日(金)

This_is_it109シネマズMM横浜で、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を見た。素晴らしいステージだった。そうなるはずだった、と言うべきか。同時にどこか切なさの残る映画だった。悲しい結末が待っていると知っているからではない。楽しくて、やがて悲しき・・・という思いが胸につかえる。良質のエンターテイメントというのはそういうものかもしれない。

ぼくが切なさを感じたのはマイケル自身の存在だ。ステージの上(リハーサルだからオフ・ステージともいえるのだが)のマイケルからは、バックグラウンドが感じられない。マイケルが没個性的だというわけじゃない。ただ、マイケルのパフォーマンスからは彼がどのように育ってきたのか、どんな恋をして、どんな音楽が好きだったのか、といったことが浮かびあがってこないのだ。マイケルと踊るために世界中から集まったダンサーたちは、それぞれのバッググラウンドを抱えている。普段着のリハーサルだからそう見える、ということもあるかもしれない。本番の衣装に着替えたら、彼らはバックダンサーの無名性の背後に身を隠すだろう。かたや彼らに囲まれてスポットライトを浴びている男は、無名どころか、マイケル・ジャクソンという燦然たる名前を持っている。だが、それは人間の名前というよりも、彼が全指揮を取っているスペクタクルにつけられたタイトルのように響く。パフォーマンスが終われば、マイケル・ジャクソンという人間は消えてなくなってしまうのではないか・・・そんな妄想が頭をよぎる。マイケルにはバックグラウンドがない。そのことがマイケルをカリスマ性のあるスターにした。そして、そのことが彼を世間の誹謗・中傷に晒したのだ。

マイケルに憧れ、マイケルと仕事をするために集まってきた人たちはみな、自分自身のバックグラウンドに誇りを持っている。自分の培ってきたものをマイケルのために提供することに喜びを見出している。もしかするとマイケルは、笑っているようにも、悲しんでいるようにも見える能面のような存在だったのかもしれない。色のないその顔のなかに、見る人は自分自身を投影する。マイケルの答えはいつも、「いいんだよ、自分を出せよ」だったんだろう。「マイケル・ジャクソン」はまさに、パフォーマーが自分を表現する場、ステージそのものだったのだ。でも、だとすると、「マイケル・ジャクソン」というステージの上で、自分自身を含むパフォーマーたちを自在に操り、鼓舞していたマイケルはいったい誰なんだ・・・答えの出ない問いをくり返しながら、マイケルの一挙手一投足に見入った。ステージに身を捧げたエンターテイナーとしての生き方に、敬意を払わずにいられなかった。

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コメント

DVDではなく、映画館での鑑賞よかったですね。是非、見に行って下さいと声掛けをしようと思ってました。
監督も言ってましたが、本来なら作る予定のなかった映画、しかし、彼の真摯にステージに向合うところを私たちは
不幸にも目にすることが出来たのです。私は彼の死から始まったマイケルジャクソンファンですが、
このとてつもないパフォーマーの残した表現を大切にしたいです。
MJのいろんな事を知れば知るほど、もっといい加減に生きてどこかに所属してればよかったのに、
ゲイだとでもいっとけばよかったのに、人種差別と戦う団体の幹部にでもなっとけば、
ここまでの攻撃は受けなかったのではないか!
しかし、彼は音楽で主張しました、それがある意味脅威に感じる人もいたのではないか!
多くの子供たちと歌う彼は美しく、天使に抱かれ涙する彼は、やはり、ある人々にとっては脅威になったのかもしれない。

でも、本当に歌うことや踊ることで救われていたことも確かなんですよね。
Smileなんか聞いてるとほんとに気持ちよくなりますよ。ほんまに音楽が大好きな人だったのね。
年末年始にかけて特集目白押しなんで、忙しいです。本日も「ムーンーウォーカー」を見なくては。その時の彼は
ホントにゲンキでメチャクチャ可愛いです!では!

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