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2008年8月26日(火)

2008_08_26rairaiken今日のラーメン:「味噌ラーメン(750円)」@関内『北海道ラーメン 来々軒』本店
いかにも札幌らしい黄色い縮れ麺は札幌から空輸しているらしい。豚骨主体と思われるスープは熱々で、ちゃんと味噌の味がする(当たり前?)ので悪い気はしない。もやしはこの手のラーメンにしては少なめ。メンマやチャーシューもほんの添えてある程度。やっぱりオロチョンを食べるべきだったか・・・★★★+

Img548ジンバブウェの作家チェンジェライ・ホーヴェのエッセイ集Palaver Finish(Harare: Weaver Press, 2002)を読み終わった。先日紹介したShebeen Talesが90年代に書かれたエッセイを集めたものであるのに対し、本書は2000年以降、ジンバブウェの状況が混迷を極めるなかで、ジンバブウェ・スタンダード紙に掲載されたものが元になっている。このころから、ジンバブウェの与党ZANU=PFは反対勢力に対する攻勢を強めていき、ホーヴェも亡命生活を余儀なくされる。本書もまた、与党の命を受けた兵士たちによるパブの襲撃からはじまる。兵士たちは窓を叩き割ってパブに侵入し、客を叩きのめす。レジの金は奪われ、旧交を温めていた男たちは問答無用で痛めつけられる・・・ジンバブウェがより暴力的な弾圧の時代に入ったことを示す衝撃的なシーンだ。

そんななか、著者は腐敗した政治家たちに対する批判を強めていく。とりわけ著者が問題とするのは、与党がジンバブウェの人びとから自由に意見を述べる機会を奪い、民主主義を破壊していることである。人は自分の運命を自分で決める権利を持っている。独立闘争はそんな「運命を決める権利」を取り戻すために行われたはずなのだ。

「言い方を変えれば、解放戦争はわたしたちの運命をつくりかえることだった。わたしたちの星も姿を変えた。わたしたちの物語、私たちの歴史には新たな可能性が潜んでいた。わたしたちはそれをつくり直すことができた。他の人たちと同じように、自分自身の真実を、自分自身の嘘を、自分自身に語るために。言い方を変えれば、解放戦争は新たな良心の誕生だったのだ」(56)

こうした「語りなおし」のなかから、ジンバブウェの文学は生まれた。独立後、次々に出版されたジンバブウェの文学作品は、英語を自分たちの書きたいことを書くための道具としてねじ伏せた。新たに政権についたアフリカ人政治家が腐敗したなら、作家は自分たちを捉えなおすための道具として再び言葉を働かせなければならない。

その一方で、ホーヴェは作家としての自分の役割に迷いを感じているようにも思える。彼は人びとのイリテラシー(文盲、無知)が与党による検閲の道具として使われることを危惧している。「わたしたちの国は英語で運営されている。英語を理解しないものにとってはひどいことだ。道路標識、銀行業務、法律文書、すべてが英語だ。教養があるような顔をしている(semi-literate)、栄誉ある議員による国会の演説さえ、英語だ」(13)。こうした見えない検閲を避けるために、ホーヴェは教育の重要性を強調する一方で、本書のショナ語版を出版するなど、英語が読めない人びとへの配慮を欠かさない。だが、問題はそれだけだろうか。「どんなに情報を与えられていなくても、人は少なくとも人生で何をしたいのかぐらいはわかっている」(80)とするなら、「書く」「読む」という孤独な作業を前提とした知識自体、そうしたものと無縁に生きてきた人びとを抑圧するものではないのか。

最後に収められたエッセイ"Zimbabwe: A Writer's Personal Reflections"で、ホーヴェは作家としての自分の立場を揺るがしかねないそんな問題に踏み込んでいる。ジンバブウェではコミュニケーションの中心は語りである。本はあくまでも学校のものであり、卒業したとたんに忘れられてしまう。そもそも、生活必需品も手に入らないような状況で、本を買う余裕などないのが現実だ。「本は人生の薄切りだ。薄切りを欲しがる人はあまりいない。一斤丸ごと欲しがる」(85)。それでもなお、ホーヴェは「ジンバブウェの真の歴史はジンバブウェの作家の鼓動のなかにある」(85)と言い、母国の図書館が充実したものになることを望んでいる。口承文化のなかで育ち、作品にもショナの語りの伝統を反映させてきたホーヴェが、こうした相克を乗り越えてどんな作品をつくりだしていくのか・・・目が離せない。


チェンジェライ・ホーヴェ、2008年のジンバブウェ大統領選挙について語る

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