2007年3月26日(月)
今日のラーメン:「支那そば(550円)」@飯田橋『支那そば しる幸』
店内にはトンコツと煮干が混ざったような独特のニオイが漂う。このニオイがだめ、という人もいるだろうが、ぼくは好き。白濁したスープはトンコツ鶏がらに野菜、煮干?などを加えたものか。舌触りはサラリとしているが後をひく旨みがある。麺はポキポキしていて美味い。チャーシューは醤油味が濃い・・・★★★+


飯田橋ギンレイホールで映画『麦の穂を揺らす風』(The Wind That Shakes The Barley、ケン・ローチ監督、2006)を見た。1920年、アイルランド南部の町コーク。医師を志す青年デミアンはロンドンの病院に就職が決まり、祖国を離れようとしている。アイルランドではイギリス軍が暴虐の限りを尽くしていた。ゲール語やハーリングといった独自の文化は禁止され、アイルランド名を名のったがために暴行を受け殺される・・・そんな状況に怒りを募らせる若者たち。デミアンの兄テディはそんな若者たちのリーダー的存在だ。兄を尊敬しながらも、強大な武力を持つイギリスに抵抗することは非現実的だと考えていたデミアンだが、ロンドンへ出発する日、駅で見た光景が彼の気持ちを変える。イギリス兵の乗車を断固として拒否する駅員、車掌、運転士。イギリス兵の暴力にもかかわらず、彼らは断固として組合の決定を守り通したのだ。デミアンはロンドン行きを取りやめ、「アイルランド共和国軍」に参加する。やがて、イギリス軍に対するゲリラ戦がはじまる。医師として人の命を救おうと思っていたデミアンも、裏切り、拷問、処刑といった血生臭い経験を経て、心に痛みを抱えながらも革命家として成長していく。イギリス軍に殺されたミホールの姉シネードもまた戦いを支えている。戦いのなかで、彼女はデミアンと愛し合うようになる。1921年12月、ついに停戦協定が結ばれ、イギリス軍はアイルランドから撤退する。しかし、協定の内容はアイルランドは依然としてイギリス連邦内の自治領にとどまり、イギリス国王が総督として権限を持ち続けるという不完全なものだった。アイルランド人は協定を支持する「アイルランド自由国」側と完全独立を求める「共和国」側とに別れ、骨肉の争いをくり広げることになった。自由国側についたテディと共和国の大義を守ろうとするデミアンもまた引き裂かれていく。やがて、デミアンが捕らえられ・・・
やり切れない結末に会場のあちこちからすすり泣く声がもれた。こういう政治的な背景のある映画で泣きたくはなかったんだけど、ぼくもこらえ切れなかった。アイルランドの歴史はある程度知っているつもりでいたんだけど、何にもわかっていなかったことに気がついた。そして、これはアイルランドだけの話ではない。アイルランド人を痛めつけるイギリス兵はナチスのようでもあり、イラクの民家に踏みこむアメリカ兵のようでもある。しかし、戦いのなかで、アイルランドのゲリラ兵も敵と同じような怒声をあげるようになっていく。もちろん、彼らの戦いがなければ、アイルランドの人々が自由を獲得することはできなかった。そのために人間的な部分を押し殺し、暴力に訴えなければならなかったのだ。同じようなことはアフリカをはじめ、世界の独立闘争についても言える。アイルランドの美しい自然を背景にしているだけに、胸がしめつけられた。
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